MU PHOTO

私は一応職員ですので。

d0151003_024865.jpg

先日のことです。
その日私は業務の都合で、最上階の病棟を目指して業務用のエレベーターに乗っていました。
最上階に面会に行くという、年配の女性も一緒でした。
私は一応職員ですので、エレベーターガールのように入り口に張り付いて、ドアの開閉をやったり階数ボタンを押したりしていました。
二人を乗せたエレベーターは順調に上がっていき、最上階の表示が出たところで静かになりました。
到着しているはずなのに、扉が開く気配はありません。
あれ?開かない・・・と一瞬思ったのですが、よくわからなかった私は、ぼーっと扉を眺めていました。
年配の女性もじっとしています。
ふと我に返って表示を見てみると、今度はどんどん下降していました。
そして、「緊急 到着した階で降りてください」という表示も出ていました。
私は一応職員ですので、ゆったりした口調で「何かあったみたいですね、この表示に従って次に止まったところで降りましょう」
と、ひきつりながら女性を誘導しました。女性もぎこちない表情でうなずいています。

次に止まったのは3階でした。
扉が開くとそこには、担架に載せられた患者さんと、患者さんを搬送しようとしている救急隊や看護師、医師の姿が見えました。
あ、と思った瞬間、救急隊の方から「すいませーん、降りてくださーい」と声がかかりました。
私は一緒に乗っていた女性にも声をかけ、一緒に3階に降りました。
救急隊は「どうもー」と言うとそそくさと今私たちが乗っていたエレベーターに乗って行きました。
団体が去った後年配の女性を見ると心なしか震えていて、「あーよかった、閉じ込められたかと思った。驚いた、びっくりした」
と言いながら、持参したペットボトルの水をがぶがぶ飲んでいました。
私は一応職員ですのでそんな女性を落ち着かせながら、今度は一般用のエレベーターで最上階まで行こうと提案し、
今度は無事に到着して何事もなかったようにお別れしたのですが、本当は私の方がびっくりして、足もガクガクしていました。
私は結構な閉所恐怖症なのです。エレベーターがあと1分動かなかったら、確実にパニックです。
本当はペットボトルの水もひったくって飲んでしまいたいくらいでしたが、私は一応職員ですので、我慢しました。
でも帰りは最上階から階段で降りました。その時もやっぱり足はまだ、ガクガクしていました。

あの女性には、私の動揺が完全にバレていたと思います。ガクガクしている職員と二人きりで、どんなに心細かったことでしょう。
病棟に無事着いた時の、なんともいえずホッとした表情は忘れることができません。
by mu-0323 | 2012-08-28 00:00 | 東京