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街灯のある風景185 in東銀座

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職場で仲良くなった人の中に清掃のオジサンがいます。
前の部署を毎日夜に清掃してくださっており、たまにひとりで残業していると
たくさんの器具をガラガラとカートに乗せてきてくれました。
ひょんなことから話をするようになり、オジサンあてに私がお菓子を置いておくと
お礼にオジサンが荷物をかけるハンガーを机の下につけておいてくれたり、ささやかな交流が続いていました。
会社が違うのでお互い名前も知りませんが、部署が変わった今も、会えば近況を報告しあうような間柄です。

そのオジサンに、いつか言わなければいけないと思っていることがあります。
その人はいつも「失礼しまーす、清掃でーす」と部屋に入ってきて、清掃が終わると
「すいませーん、清掃終わりましたー」と出ていく、初めのころはそう思っていました。
でも、途中からそうではなかったことに気づいてしまいました。
清掃が終わったときオジサンは、「せんせーい、清掃終わりましたー」と私に言っていたのでした。
オジサンは、病院のよくわからない部屋で、白衣を着て電子カルテとにらめっこしている私が
何者かよくわからなかったのだと思います。
院内でなんだかよくわからない人を見たら、とりあえず先生と呼んでおけば間違いないという病院特有の
教えを忠実に守ったオジサンは、わけのわからない私を「先生」と呼んでいたのです。

私はずっと「すみませーん」と言われていると思っていたので、「せんせーい」と言われているときも
「ハーイ、ありがとうございましたー」とのんきに返事をしていました。
今、白衣を着ない部署に異動して、ますますわけのわからない状態になった私を見て
コイツは医者じゃないなとうっすら気づいているとは思いますが
訂正する機会を逃してしまった私は、オジサンにまだ自分の仕事を言えずにいます。
by mu-0323 | 2012-07-22 00:00 | 街灯