MU PHOTO

街灯のある風景160 in九段

d0151003_115339.jpg

以前このブログで、私の過ごしてきたささやかな人生について触れた事があります。
今日は、その続きです。
長くなりますので、お時間のある方だけ「続き」からどうぞ。↓



私の職場がある街は、幼いころの私にとっていい思い出のある場所ではなかったという事は
以前ブログで書いたとおりです。
通っていた大学病院のひとつは大通りに面していて、病院に通わなくなってからも
車に乗って家族で都内に行く時は、たまにそこを通る事がありました。
車で通るたびになんとなく懐かしい気持ちがしていたのですが、いつの頃か、通りを挟んで病院のちょうど
正面に、チェーン展開しているカフェが出来ました。
そこは一部がオープンカフェになっており、なぜか私はそのカフェに強く惹かれました。
明るい日差しの差し込む開放的なそのカフェが、私にとってコワくて閉鎖的だった病院の正面に出来たことで
何か象徴的なものを感じたのかも知れません。
親にねだって車を停めてもらい、カフェに寄った事もあったような気がします。
老朽化した病院が取り壊された後も、カフェはずっとそこにありました。

先日の事です。
お昼休みにふと思いついて、そのカフェまで足を運んでみました。
仕事帰りに寄った事は何度もあるのですが、お昼に行ったのは初めてでした。
いつもと変わりないカフェで、外を眺めながら食事をしていた私は、不思議な感覚になりました。
あんなに強く惹かれ、自由の象徴のようだったこの場所で、私は今ランチを食べている。
特別な事ではなく日常の行為としてここでランチを食べている事が、嬉しくてたまらなくなったのです。
もしも今この通りを、幼いころの私が車に乗って通ったら。
このカフェをいつものように眩しそうに眺めていたら。
絶対、言ってあげようと思いました。
いつか大人になったら、このカフェで自由にご飯を食べられる時が来る。特別なカフェじゃなくなる
時が来るよ、って。
そんな風に思う事自体、まだそこは特別なカフェなのかも知れません。
でも、きっとそれでいいのだと思います。
by mu-0323 | 2011-11-06 00:00 | 街灯